自転車のペダルを『メンテナンス』してみよう!
この記事は『60歳からの青春』3月19日のコピーです。
2月の自動車との事故で、左側ペダルのケージが大きく曲がってしまって、クランクも少しばかり曲がった。寸でのところで車のバンパーが直接足に当たらず、ケージとクランクの変形が足と体を守ってくれた。
そこでこの際恩あるペダルを、修理することにした。このWellgo LU-953というペダル、いつ買ったか全然覚えていないけれど、おそらく15年ぐらいは使っていると思う。昨年変な音がするのでキャップを外したら錆汁が出てきて、その時はパーツクリーナーで内部を洗浄し、グリースを詰め込んだだけでキャップをしてしまった。それ以外、約15年間まったくノーメンテナンス!自慢にも何にもならないんだけれど、とにかくやってみましょう。参考にしたのが、Bookmarkにある『Kinoの自転車日記』だ。この方のブログはすごい。ペダルだけでも20以上の記事がある。時々記事にコメントをするのだけれど、丁寧に返事を頂く。このブログを見ていると、何でもできそうな気がするので不思議だ。本になっている整備書なんかより、遥かに詳しいし写真も綺麗だ。ペダルのメンテナンスを決心したのも、このブログが背中を押してくれたからに他ならない。
これが左側のペダルで、ケージが大きく内側に湾曲している。
黄色いアルミのケージを外して、樹脂製のエンドキャップを外してみた。数か月前のグリースアップで、中は油が廻っているように見える。
12mmボックスレンチでナットを外し、回り止めワッシャを抜き取り、ベアリングのボールを押さえているナットを外した。
とりあえずグリースをふき取って並べてみた。
本体の外側をパーツクリーナーで洗うと、ベアリングが当たる部分が見える。
本体のクランク側、同じようにきれいにお掃除をした。
ところがシャフト側を良く見ると、ベアリングのボールが転がる面が、月面の様に痘痕になっている。こりゃあひぃどい。実は組み立てている時は全然気が付かず、そのまま組み付けてしまった。写真をパソコンで見て、初めて気が付いた。目が悪いというのは、本当につらいなぁ~。
こちらはナット側の、ボールが転がる面だ。シャフト側ほどではないけれど、やはり荒れている。
さすがにボールは硬いだけあって、まったくの無傷・・・かな?。
さて、とにかく組み付けましょう。今日は、いつもの木工作業台が自転車リペアショップに変身した。でも、『Kinoの自転車日記』のリペアショップは、もうびっくりするぐらい清潔です。まるで病院の手術室の様で、ステンレスの皿の中で部品がまっ白い布の上に並んでいます。ピンセットまであるんだから、ぜひご覧あれ・・・。
ボールが転がる面にグリースを塗って、13個のボールを並べていきます。Kinoさんはボールをピンセットで挟んで並べるようだけれど、私はキリの先にグリースをちょっと付けて、それを糊代わりにしてボールをくっ付けて並べた。くっ付いたと思ったらころりとボールが床に落ちて、探すのに大騒ぎをした。そして次にシャフトを突っ込んで、反対側に同じようにボールを並べていきます。
ボールを押さえるナットを指先でねじ込んで・・・
廻り止めのワッシャを入れて・・・
最後に、ナットを組み付けます。こう書いてしまうと簡単なんだけれど、これがなかなか難しい。何が難しいかと言うと、ボールを押さえるナットの締め加減だ。このナットをちょうどガタが無く軽く回る位置にして、最後のナットを締め付けると硬くて回らなくなってしまう。
ここまで来て、kinoさんのブログに紹介されているCampagnoloのペダルと、構造がかなり違うことに気が付いた。Campaは、エンドキャップが付いていない時、この奥側のボールを押さえるナットが工具で回せる。私のWellgoは、奥のナットも最後のナットも本体の中に埋まっている。手前は12mmのボックスレンチで締められるけれど、奥の15mmのナットは、写真の様にドライバーを突っ込んで回すしかない。
最後の押さえのナットで締めた時にちょうど良いように、奥のナットをほんのわずかガタがあるようにする必要がある。調整と言っても、本当にナットをほんのわずか締めたり弛めたり・・・。たぶん10回以上繰り返したと思う。締めすぎるとゴロゴロとした感じがあるし、緩いとカタカタ遊びがある。そのちょうどその中間にセットした。
最後にもう少しグリースを詰め込んで、樹脂のキャップを閉めてお終い。
ようやく両側を組み上げて次はケージの取り付けに移った。そうそう、ひん曲がったケージを、反対側のケージを見本にして元の形に近いところまで直した。Campaは、ケージを外さなくてもメンテナンスガできるように、ケージの形状に工夫がされている。さすがイタリアの名門Campa・・・!ところがWellgo君、ケージを取り付ける皿ネジが、うまく入らない。
よく見ると、ネジ山(右側)が少し痛んでいる。無理すると相手のアルミのたて込みネジが傷んでしまう。よく似たサイズの皿ビス(左側)を持ってきて・・・
ネジの長い分をやすりで削って・・・
何とか、同じような皿ネジにすることができた。
組み付け完了!さて、自転車のクランクに取り付けましょう。
少しばかり曲がったクランクも、直してみた。しかしそんなに簡単には、元に戻らない。万力で締めて木ハンマーで叩いて、また万力で締めて木ハンマーで・・・を何回か繰り返したら、何とかペダルのすりこぎぎ運動がほとんど気にならないぐらいまで修正ができた。まあ、これぐらいにしておきましょう。
さて試運転に、近くのGIANTのお店まで散歩に行ってきました。なかなか、快調です。でもまあ、シャフト側にできた痘痕は消えたわけではないので、本調子ではないことは確かだな。